本記事では、水害の種類とリスクの確認方法から、浸水を防ぐ具体策、避難のタイミング、被害後の手続きまでを「平時」「シーズン前」「直前〜発生時」「被害後」の4つのステップに分けて徹底解説します。
台風や大雨のニュースを見て「うちは大丈夫?」と不安を感じた方は、ぜひ最後まで読んでください。今どのステップにいても、次にやるべきことがわかります。

この記事は、こんな人にこそ読んでほしいぜ!
- 台風や大雨に備えて何をすればいいかわからない人
- ハザードマップを見たことがない人
- 賃貸やマンションでも水害対策が必要か気になっている人
そもそも水害とは?知っておきたい3つの種類
水害とは、大雨・台風・高潮などによって引き起こされる浸水や氾濫などの災害の総称です。日本では毎年のように各地で水害が発生しており、どの地域でも起こりうる災害といえます。
水害は大きく分けて「外水氾濫」「内水氾濫」「高潮・土砂災害」の3つの種類があります。種類によって発生のしくみと対策が異なるため、まずは違いを押さえておきましょう。
外水氾濫(河川の氾濫)
外水氾濫とは、川の水位が堤防を超えたり、堤防が決壊したりして周辺に水があふれ出す現象です。
被害範囲が広く、水の勢いも強いため、建物の倒壊や流失を招くこともあります。近年は線状降水帯の影響で、短時間に記録的な大雨が降るケースが増えており、河川の氾濫リスクは高まっています。
内水氾濫(下水・排水の逆流)
内水氾濫とは、排水能力を超える大量の雨が降り、下水道や排水路があふれて浸水する現象です。
河川から離れた都市部でも発生するのが特徴です。マンションの1階や地下の部屋、道路のアンダーパスが冠水するケースも珍しくありません。「川が近くないから安心」とは言い切れないのが内水氾濫の怖さです。
高潮・土砂災害
海沿いでは、台風や低気圧によって海面が異常に上昇する高潮のリスクがあります。山沿いでは、大雨で地盤がゆるみ、土砂崩れやがけ崩れが起きることがあります。
どちらもハザードマップで危険区域が公開されています。自宅の立地にどのリスクがあるかを事前に確認しておくことが、水害対策の出発点です。
1. 平時の備え — リスクを知り、準備する

水害対策の第一歩は、リスクの把握と基本の備えです。平時にやるべきことは「リスク確認」「避難計画」「備蓄と保険」の3つ。日頃から準備しておけば、いざという時に慌てずに行動できます。
ハザードマップで自宅のリスクを確認する
最初にやるべきことは、ハザードマップの確認です。市区町村が公開しているハザードマップを見れば、自宅がどの程度の浸水リスクがあるかがわかります。
国土交通省の「重ねるハザードマップ」を使えば、洪水・土砂災害・高潮のリスクをまとめて確認できます。浸水想定の色分けの意味や、避難場所の位置まで把握しておきましょう。
マイ・タイムラインを作成する
ハザードマップでリスクを確認したら、マイ・タイムライン(防災行動計画)を作成しましょう。これは「いつ、誰が、何を準備し、どこへ避難するか」を時系列でまとめた計画表です。
あらかじめ「警戒レベル3が出たら高齢の親を避難させる」「レベル4で自分たちも避難所へ向かう」と決めておくことで、いざという時に慌てず行動できます。国土交通省や各自治体のホームページからテンプレートをダウンロードできます。
避難場所・避難経路を家族で共有する
最寄りの避難所と、そこまでの経路を2〜3通り確認しておきましょう。水害時には通れなくなる道があるためです。
アンダーパス(道路が線路の下をくぐる場所)や河川沿いの道は、冠水して通行できなくなる危険があります。家族全員で実際に歩いて確認し、「どの道を通るか」「連絡が取れないときの集合場所」を決めておくと安心です。
非常持ち出し品と備蓄を準備する
避難時に持ち出す非常持ち出し袋と、自宅で耐える場合の備蓄品を両方準備しておきましょう。
水は1人1日3リットルを最低3日分が目安です。食料も同じく3日分を用意します。消費しながら補充するローリングストック法を取り入れれば、期限切れの心配なく備蓄を維持できます。
携帯トイレも忘れがちですが、水害時は下水が使えなくなることがあります。あわせて準備しておくと安心です。
火災保険の「水災補償」を確認する
意外と見落とされがちなのが、保険の確認です。火災保険に「水災補償」がついていないと、水害の被害は補償されません。
補償の条件は一般的に「床上浸水」または「建物の時価の30%以上の損害」です。保険証券を確認し、水災補償が外れていないか、今のうちにチェックしておきましょう。特に保険料を抑えるために水災を外しているケースがあるので注意が必要です。

保険の確認は後回しにしがちだけど、被害が出てからじゃ遅いぜ。今日中に保険証券をチェックしてくれよな!
2. 水害シーズン前の点検

梅雨入り前(5〜6月)と台風シーズン前(8〜9月)に、家と周辺の点検を済ませておきましょう。事前の点検で、浸水被害を大幅に減らせる可能性があります。
家の周りの排水溝・側溝・雨水ますを掃除する
排水溝や側溝が落ち葉やゴミで詰まっていると、雨水が流れず、道路や家の周りに水がたまります。これが内水氾濫の原因になります。
家の前の側溝のフタを開けて中を確認し、ゴミや泥を取り除いておきましょう。雨水ます(道路にある排水用のマス)の周りに落ち葉がたまっていないかも確認します。
屋根・外壁・雨どいを点検する
屋根の瓦のズレ、外壁のひび割れ、雨どいの詰まりは、大雨のときに雨漏りや浸水の原因になります。
地上から目視できる範囲で構いません。雨どいに枯れ葉がたまっていないか、外壁にクラック(ひび)がないかを確認します。気になる箇所があれば、シーズン前に補修しておくと安心です。
浸水防止グッズを揃えておく
いざという時に玄関や開口部からの浸水を防ぐために、グッズを事前に準備しておきましょう。主な浸水防止グッズは次の4つです。
土のう・水のう:玄関や開口部を塞いで水の侵入を防ぎます。水のうはゴミ袋に水を入れるだけで作れるため、土のうがなくても代用できます。
止水板:玄関やガレージの入り口に設置して、水をせき止めます。市販品のほか、長めの板とブルーシートで即席に作ることもできます。
防水テープ・防水シート:窓やドアの隙間からの水の侵入を防ぎます。養生テープでも応急的に使えます。
排水口の逆流防止:大雨で下水が逆流するのを防ぐために、トイレや浴室の排水口を水のうで塞ぎます。
台風シーズンに向けた具体的な備えは、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
3. 水害が迫ったら — 直前〜発生時の行動

大雨や台風が近づいてきたら、気象情報と避難情報をこまめにチェックし、命を守る行動を最優先にしましょう。
気象情報・警戒レベルの見方と避難のタイミング
警戒レベル4「避難指示」が出たら、対象地域の全員が危険な場所から避難してください。レベル5はすでに災害が発生している状態なので、レベル4までに行動を終えることが重要です。
警戒レベルの目安は次のとおりです。
レベル1:心構えを高める(気象庁が早期注意情報を発表)
レベル2:避難行動の確認(大雨注意報など)
レベル3:高齢者等は避難開始。それ以外の方も準備を
レベル4:全員避難(避難指示)
レベル5:緊急安全確保(すでに災害発生・命を守る行動を)
自治体の避難指示を待つだけでなく、自ら進んで情報を取得することが大切です。気象庁の「キキクル(危険度分布)」を活用すれば、土砂災害や浸水害、洪水の危険度が地図上で5段階に色分けされ、リアルタイムで確認できます。
また、国土交通省の「川の防災情報」などで近隣の河川の水位情報もチェックし、早めの避難判断に役立てましょう。
自宅にとどまる場合の浸水防止対策
避難所に行かず自宅で耐える場合(垂直避難など)は、できる限り浸水被害を減らす対策をとりましょう。
まず、玄関や出入り口に土のうや水のうを積んで、水の侵入を防ぎます。トイレや浴室の排水口にも水のうを置き、下水の逆流を防止します。
家財や貴重品、電化製品は可能な限り2階以上に移動させましょう。浸水が迫ったらブレーカーを落として通電火災を防ぎます。
避難時に気をつけること
冠水した道路を歩くのは非常に危険です。水深がひざ上になると大人でも歩行が困難になり、マンホールのフタが外れていたり、側溝が見えなくなっていたりします。
避難のポイントは次のとおりです。
靴は長靴ではなく運動靴(スニーカー)を履きましょう。長靴は水が入ると重くなり、脱げやすくなります。
できるだけ複数人で行動し、お互いの安全を確認しながら移動します。夜間の避難は特に危険なので、暗くなる前の行動を心がけましょう。
アンダーパスや地下道は冠水しやすいため、絶対に近づかないでください。
車が冠水したときの対処法
車は水深約30cmでエンジンが止まる可能性があり、それ以上になるとドアが水圧で開かなくなります。冠水した道路には無理に進入しないでください。
万が一、車内に閉じ込められた場合は、窓を割って脱出します。緊急脱出用ハンマーを車内に常備しておくことをおすすめします。
4. 水害後にやるべきこと

水が引いた後も、やるべきことがあります。「安全確認→記録→手続き」の順に進めましょう。
安全確認と片付けの手順
浸水した家に戻る際は、まず安全確認を行います。
ブレーカーがOFFになっているかを確認してから入りましょう。水に浸かった電気配線がショートして通電火災を起こすことがあります。
泥が残っていると雑菌が繁殖し、感染症のリスクが高まります。泥を除去した後は、消毒液(次亜塩素酸ナトリウムなど)で消毒してください。作業時はゴム手袋・マスク・長袖を着用しましょう。
個人での片付けが難しい場合は、自治体やボランティアセンターに相談してください。
罹災証明書の申請と保険請求
片付けを始める前に、被害状況を写真で記録してください。これは罹災証明書の申請や保険金請求に必要な証拠になります。
写真は建物の外観を4方向から撮影し、室内の浸水跡や損壊箇所もすべて記録します。水位がわかるようにメジャーを当てて撮影すると、より確実です。
罹災証明書は市区町村の窓口で申請できます。この証明書があると、税金の減免、義援金の受け取り、公的な支援制度の利用が可能になります。
火災保険の水災補償に加入していれば、保険会社に連絡して保険金を請求しましょう。被害写真と罹災証明書を揃えておくと手続きがスムーズです。
賃貸・マンションでもできる水害対策
水害対策は戸建てだけの話ではありません。賃貸やマンションの低層階でも、浸水リスクはあります。
マンション1階・地下の浸水リスク
マンションの1階や地下は、内水氾濫で浸水するケースが増えています。特にゲリラ豪雨のとき、排水が追いつかず地下駐車場やエントランスが冠水することがあります。
また、浸水で受電設備が水没すると、マンション全体が停電します。エレベーターも使えなくなるため、高層階に住んでいても影響を受ける可能性があります。
賃貸でもできる3つの備え
「賃貸だから対策できない」と思いがちですが、以下の3つは住まいの形態を問わず実践できます。
1. ハザードマップの確認:自宅の浸水リスクを把握します。引っ越し前にも必ず確認しておきたいポイントです。
2. 非常持ち出し袋の準備:避難時にすぐ持ち出せるよう、玄関付近に備えておきましょう。
3. 火災保険(家財保険)の水災補償チェック:賃貸の場合は家財保険に水災補償がついているか確認します。建物は大家さんの保険でカバーされますが、自分の家財は自分で守る必要があります。
浸水対策のグッズ(止水板など)を設置したい場合は、事前に大家さんや管理会社に相談しましょう。
水害対策の要点まとめ(チェックリスト)
水害対策は「平時」「シーズン前」「直前〜発生時」「被害後」の4ステップで考えると漏れがありません。以下のチェックリストで、できていないところから始めましょう。
- ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認した
- 避難場所と避難経路を家族で共有した
- 水・食料・携帯トイレを最低3日分備蓄した
- 非常持ち出し袋を準備した
- 火災保険の水災補償を確認した
- 排水溝・側溝・雨水ますを掃除した
- 屋根・外壁・雨どいを点検した
- 浸水防止グッズ(土のう・止水板など)を準備した
- 警戒レベル4までに全員避難する
- 自宅にとどまる場合は土のうで浸水を防ぎ、排水口の逆流を止める
- 避難時は運動靴を履き、冠水した道を避ける
- 片付け前に被害状況を写真で記録する
- 罹災証明書を申請する
- 火災保険の保険金を請求する
水害は、正しく備えれば被害を大幅に減らせる災害です。まずはハザードマップの確認から始めてみてください。

水害は事前の備えがモノを言う災害だぜ。チェックリストで抜け漏れがないか、家族で確認してみてくれよな!








